そのゲームの名前は「Fate/Grand Order」。先週10月14日に最新のシナリオ「英霊剣豪七番勝負」が配信されたところです。

 私も当シナリオは大変楽しく読ませていただいたのですが、配信されてから後、ネットでは「これは『魔界転生』のパクリではないか」という話題がじわじわと広がっていました。後述しますがシナリオの内容は「いやこれをパクリと言われましても……」という感じであり、いわゆるまとめサイトのたぐいが扇情的に話題にしているだけかと思っていたのですが、18日〜19日あたりに「日本文藝家協会に問い合わせた」という方がTwitterに現れ、さらにその発言を受けて自分でも問い合わせる人が増え……という形でパクリという話だけがどんどん膨らんでいるような状況です。ではその「英霊剣豪七番勝負」とパクリ元であるといわれている『魔界転生』とは、それぞれどういうお話なのでしょうか。

 なので「これをパクリと言われましても」という気分になるのが正直なところなのです。ここでパクリとオマージュの違い、みたいな話になりますが、Twitterでちょっと前に見た「元ネタがバレて困るのがパクリ、バレなきゃ始まらないのがパロディー、分かる人にだけ分かればいいのがオマージュ」みたいな話を思い出しました。

 最後になりますが、「英霊剣豪七番勝負」をより楽しむための作品紹介を。

 また、パロディーとかリスペクトとかオマージュとかパクリとかそう言ったことがバカバカしくなる作家の1人として、荒山徹氏をご紹介しておきます。数々の柳生ネタ作品をものしておられる方ですが、今回は最近電子書籍で出版された『大東亜忍法帖』をおすすめ。死した幕末の剣士たちをよみがえらせ明治政府を狙う謎の男山田一風斎、というここまで書いただけでお腹いっぱいな作品ですが、この作品自体も諸事情から上巻のみで発行中断、今回電子書籍でようやく完全版になったという、『魔界転生』を元ネタにしつつ小説そのものが魔界転生してしまった作品だったりします。ただしこちらは『魔界転生』を読んだ後読まれることをオススメいたします。

 なお『魔界転生』からの影響という話になると、そもそも「Fate/Stay Night」自体、高校時代に奈須きのこ氏が石川賢版『魔界転生』に影響されて書いていた文章が元になっているというお話もありますし、現在アニメ放映中の「Fate/Apocrypha」で天草四郎が登場するのも「Fate/Stay Nightの根底に魔界転生があるのなら、天草四郎がボスになるというのはどうか」という着想があってのことなのだそうです。

 どれも微妙に違う、それでいて傑作ぞろいの魔界転生物語。小説に忠実でありながら、その画力でインパクトあるビジュアルにしているせがわまさき氏の『十 〜忍法魔界転生〜』もおすすめです。三つ編みの宝蔵院胤舜とツインテで投げキッスもしちゃう柳生宗矩にときめいてみましょう。

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