米海軍が運航する潜水艇「トリエステ」で一九六〇年、初めて最深部に到達したのはドン・ウォルシュとジャック・ピカールの二人。その後は二〇一二年、映画監督のジェームズ・キャメロン氏が潜水艇「ディープシーチャレンジャー」でたどり着いただけです。

 地球上をくまなく踏破し、利用してきた人類ですが、海の中に関する限り、進出できた領域はほんの一部にすぎません。つまり私たちの足元に広がる深海は、ほとんどが未知の世界です。

 その闇の中から、人間は何を見つけてきたのでしょう。

 有人潜水調査船は日本、フランス、米国、ロシア、中国の五カ国に六千メートル級の計七隻。中国の「蛟竜(ジャオロン)」が一二年に七千メートルを超す潜航に成功するまでは、日本の「しんかい6500」が長らく最深記録を保持していました。

 深海探査は水圧との闘いだといいます。水深六千五百メートルまで潜れば、一本の指先に十人の大人を乗せるぐらいの圧力がかかる。生身の人間なら、もちろん、一瞬でぺちゃんこに押しつぶされます。

 海洋研究開発機構は今年四月、深海のごみの映像を集めた「深海デブリデータベース」をネット上に公開しました。「しんかい6500」は日本海溝でマネキンの頭部を、無人探査機「かいこう」はマリアナ海溝の奥底でポリ袋を見つけています。

 例えば、はるか月面にも米国のアポロ宇宙船で降り立った計十二人が足跡を残しています。近年では国際宇宙ステーションに常時、人が滞在できるほど宇宙空間の利用は進んでいます。

Tags:

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *