県果樹園芸課によると、近年の梅酒生産量は10年間で約2倍に増加。しかし、梅酒に使われる青梅の出荷量はほぼ横ばいで、梅酒の生産量とは合わない状況だという。同課担当者は「梅酒の生産量は増えていても、その多くが酸味料や香料を使用し、梅の使用は少ないのだろう」と分析。梅の消費拡大を図るため、「本格梅酒」と酸味料などが添加された梅酒との区分表示基準の策定を、平成25、26年度に政府に提案していた。

 「本格梅酒」は、昨年1月、日本洋酒酒造組合が制定した自主基準に基づくもの。梅と糖類、アルコールだけを原料とした梅酒のみで、酸味料や着色料、香料を使用したものは「本格梅酒」と名乗ることはできないとする。

 今回開発した判定法は、梅酒に含まれる酸味成分「クエン酸」を調べる方法。クエン酸を構成する原子の同位体の比率が植物や栽培地によって違うことを利用する。梅酒には大半がトウモロコシからつくる酸味料が使われるとされており、その場合は炭素原子の同位体の比率が梅と大きく違い、高い精度で判定することができるという。また、サツマイモ由来の酸味料の場合は、水素原子の同位体比率で判別できる。

 抗酸化作用のあるポリフェノールや、血圧の上昇を抑えるカリウムが含まれているなど、本格梅酒の機能性についてもPRしてきた県。担当者は、「今後、梅酒人気がさらに高まれば、『本格梅酒』と銘打った酸味料が添加された梅酒が出回る恐れもある。判別法の開発で、抑止できるのでは」と期待している。

 「本格梅酒」とうたいながら、風味を出すために酸味料などが添加された基準にそぐわない梅酒の流通を防ごうと、県は食品添加物があるかどうかを識別する「梅酒の酸味料添加判別法」を酒類総合研究所(広島県東広島市)と共同開発した。今年1月に特許を出願。梅の消費拡大を目指している。

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