しかし、13年1月、福岡市人事委員会は、教諭のいじめや体罰はなかったと判定し、処分を全て取り消した。教諭の冤罪は晴れたのである。

 次に、人権派弁護士を代理人に立てる。被害者や弱者救済に使命感を持つこの手の弁護士は、我が子のいじめを涙ながらに語る“被害者の母”の訴えに弱い。

 08年、神奈川県大和市の小学校で女性教諭が、授業中にカードゲームをして遊んでいた女児の背を軽く叩いて注意をした。この女児は平素から、唾を吐いたり私語が多いなど、問題行動が目立っていた。

 星野准教授によれば、丸子実業の他に、教師が保護者を訴えた例は2件ある。

 これに立腹した両親は、学校に出かけて、子供の机を勝手に隣のクラスの前に移動させた。教諭がこれを元に戻したところ、激高した母親が教室に乱入して教諭の頭を殴り、全治3週間のけがを負わせたのである。

 かつて教師は聖職者と呼ばれ、「絶対」の存在であった。しかし、今や、保護者が「神様」で、身を守るために教師が法的手段にまで出なければならない時代。教育現場が抱える苦悩の深さには、慄然とせざるをえないのである。

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