一方で「やったというより、やっとか」と正直に打ち明けたのは、佐渡トキ保護センターの金子良則獣医(58)。21日に撮影された映像を22日に確認し「くちばしをまっすぐ上にあげて力強い」とひなの状況を説明した。「放鳥から8年たち、時がかかったなというのが実感。トキだけに」とちゃめっ気を見せつつ、「これが本当の意味の野生復帰だ」と強調した。

 このほかにも現在、野生下で生まれたトキ同士の抱卵が4組あり、2世誕生ラッシュへの期待も高まる。ただ、広野氏は「繁殖期を初めて迎える若い個体のため、しっかり見守っていきたい」と慎重に答えた。

 初放鳥からトキの野生復帰事業に携わってきた市農林水産課トキ政策係の村岡直(ただし)係長(49)は「感慨深い。トキの野生復帰がさらに前進した。市民や(佐渡とき保護会の顧問だった)佐藤春雄先生が命を削って保護活動をしてきた努力が実った」と喜んだ。

 午後3時ごろ、市役所の玄関前には「祝トキ野生下二世ひな誕生」の文字が躍る垂れ幕が掲げられ、三浦基裕市長と職員約80人が一緒に喜んだ。三浦市長は「無事に生まれてくれることだけを考えていた。自然の中でたわむれるトキの姿を見に来てくれる人が一人でも増えてほしい」と報道陣に述べ、佐渡の活性化につながる効果を見据えた。

 同日午後、環境省の広野行男首席自然保護官(43)は同市の佐渡自然保護官事務所で、ひな誕生を確認した21日の状況を報道陣に語った。

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