奈良の国宝級の仏像が海外で展示されたケースは、9年に法隆寺の国宝「百済観音像」、22年に東大寺の重要文化財「鑑真和尚坐像」などがあるが、同庁は「ここ数年はこうした展示はない」としている。

 文化庁によると、国宝や重要文化財の海外搬出には同庁長官の許可が必要。長時間の輸送に耐えられる専門のケースや、展示先での温度や湿度の管理など、細心の注意が求められる。

 県内には国宝の仏像彫刻などが72件あるが、海外での知名度は京都のほうが高い。担当者は「奈良の文化や文化財のすばらしさを発信したい」としている。

 荒井正吾知事は「文化資源の活用をめぐっては、世界の方がどんどん進んでいる」と指摘。「(県の事業には)国の賛同も得ており、ご支援頂いている。地元の社寺に声をかけているところで、まだどんな仏像を出すかは決まっていない」としている。

 県は、県内の寺社にある国宝や重要文化財の仏像などをヨーロッパの博物館で展示する取り組みを始める。平成27年度2月補正予算に事業の準備費として680万円を計上。今後、文化庁と協力しながら事業を進めるとともに、寺社を回って事業説明や展示の打診を行う。国宝などの海外展示を国レベルではなく、県が独自に実施するのは珍しい。

 県文化資源活用課によると、事業は国宝などの展示を通じて奈良の文化や歴史の奥深さ、魅力を知ってもらい、県内を訪れる外国人観光客の増加につなげることが狙い。

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