出荷先は三菱電線工業が229社、三菱伸銅が29社

 三菱電線が検査データを改ざんしていたのは、ゴムを素材とするパッキンやガスケットで、自動車エンジンなどの油や水漏れ対策に用いる部品。寸法や材料の特性が納入先の要求や社内基準に合っていないのに、範囲内に収まるようデータを書き換えていた。不正があったのは、和歌山県有田市の箕島製作所で製造し、2015年4月~17年10月に出荷した約2.7億個で、全出荷量の2割に当たる。同社は今年2月に社内監査で不正を把握したが、10月23日に停止するまで不適合品の出荷を続けており、取引先への対応が厳しく問われそうだ。

 三菱マテリアルは23日、子会社の三菱電線工業と三菱伸銅が自動車や航空機向けなどに出荷した素材製品の検査データを書き換えていたと発表した。出荷先は三菱電線が航空・宇宙、産業機器、自動車など229社、三菱伸銅が自動車や電子機器向けなど29社。いずれも「現時点で法令違反や安全性に疑義が生じる事案は確認されていない」というが、納入先と安全確認を早急に進めるとしている。三菱電線の納入先には防衛省も含まれ、自衛隊の航空機や艦船にも不適合品が使われていた。

 三菱伸銅は、福島県会津若松市の若松製作所で製造した自動車部品や電子機器向けのコイル状の銅製品で導電率などのデータを書き換えていた。不正があったのは16年10月~17年10月に出荷した879トンで、全出荷量の0.6%に当たる。同社は今年10月10日から社内調査を行い、16日に不正を確認、18日に不適合品の出荷を停止した。

 国内の素材メーカーをめぐっては、神戸製鋼所が10月、アルミ・銅製品などで検査データを改ざんしていたことが発覚。納入先が自動車・航空機メーカーなど525社に及び、日本工業規格(JIS)違反など法令違反も見つかった。今回、三菱マテリアルの子会社でも同様の検査データ改ざんが見つかったことで、日本の素材メーカーに対する不信が高まるのは避けられそうにない。【川口雅浩】

 三菱マテリアルは同じく子会社の三菱アルミニウムでも「不適合品の出荷があったが、すべての納入先との間で安全性の確認は終了している」と発表したが、詳細は明らかにしなかった。いずれも24日に記者会見をするとしている。三菱電線と三菱伸銅は社外の弁護士らによる調査委員会を設け、原因究明を行ったうえで再発防止策を策定するという。

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *