完成した津波避難デッキを渡るマーチングバンドや関係者ら。右奥がマリンゲート=宮城県塩釜市で

 宮城県塩釜市の海の玄関口「マリンゲート塩釜」周辺で、市民や観光客が避難できる「津波避難デッキ」が完成し23日、開通式があった。避難路としてデッキが整備されるのは東日本大震災の被災地で初めて。災害時には約500人の避難場所になるほか、通常は松島湾を望む遊歩道として活用される。

 開通式で佐藤昭市長は「震災の教訓を具体化できた。命をつなぎ、絆を深める『架け橋』とし、市民や観光客に親しんでもらうソフト面も充実させたい」と述べた。くす玉割りなどで開通を祝い、小中学生のマーチングバンドを先頭に市民ら約200人が「渡り初め」をした。海から300メートル先に住み津波の浸水被害に遭った同市港町2の塾経営、村上節子さん(58)は「いざという時に逃げる場所がはっきりして心強い」と喜んだ。

 マリンゲートは松島観光船や市営汽船が発着するターミナルビルで年間約120万人が利用。震災では津波が1階を襲い約200人が屋上などに避難した。周辺道路や駐車場で被災した車利用者も多く、避難路や誘導路の整備が課題だった。マリンゲート東側の駐車場には、離島の浦戸諸島の災害に備えた「津波防災拠点施設」も今年度着工、完成の予定だ。【渡辺豊】

 デッキは、ともに津波避難ビルに指定されているマリンゲート(同市港町1)と、JR本塩釜駅脇の商業施設「イオンタウン」(同市海岸通)の2階同士を結び、交通量の多い国道45号バイパスをまたぐ。延長372メートル、幅4メートル、高さは震災時の周辺の津波高4.7メートルを超す約6メートル。デッキに上る3カ所の避難階段や、車いすが使える階段車路などを設け、高齢者や地理に不案内な観光客らに配慮した。路面などは塩釜特産の「塩釜石」をイメージしたベージュ色に統一した。事業費は14億4200万円。

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