県の計画では、まず、県畜産技術振興センターが、県内の酪農家が飼育している乳牛に黒毛和牛の受精胚を移植。生まれた黒毛和牛の子牛をキャトル・ステーションで育て、せりで県内の畜産農家に販売し、近江牛を育ててもらう。

 26年度に滋賀食肉センターへ出荷された約6千頭の近江牛のうち、県内生まれは14%にとどまっている。県畜産課によると、よそから買ってきた子牛を出荷できるまで育てるのにかかる年月は1~2年程度だが、メスの繁殖牛から子牛を産ませ、一から育てるのは3~4年程度かかる。そのぶん労力や費用が余分にかかるため、県内で子牛を産ませ育てることがなかなか根づかないという。

 滋賀県は今年度から、県内生まれの子牛を育てる「キャトル・ステーション」の整備に乗り出す。日本三大和牛の一つとして知られる「近江牛」だが、実は県内生まれの近江牛は2割に満たず、大半が県外出身。近年は全国的に子牛の価格が高騰しているため、県産の子牛を増やして県外からの子牛購入に頼らないことで、近江牛の安定生産へつなげたい考えだ。

 近年は、全国的な畜産農家の跡継ぎ不足などにより、市場に出回る子牛の数は減少。価格は5年前に比べると1・7倍程度に高騰し、入手困難になりつつある。

 近江牛は平成17年12月、県内の畜産関係者が「県内での飼育期間が最も長い黒毛和牛」と統一定義を設けた。つまり県外で生まれたとしても、県内で育った期間が一番長ければ近江牛とされる。

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