だが、あまり知られていないのは、この天然記念物の指定範囲が「奈良市一円(旧都祁(つげ)村と旧月ケ瀬村を除く)に生息するニホンジカ」と極めて広範囲であることだ。奈良公園一帯で生息する人慣れしたシカと、公園から遠く離れた山間部で生まれ育った野生のシカは、その性格、行動範囲ともに違う。それでも、同じ「奈良のシカ」としてひとくくりに保護対象となっている。

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 同市の春日大社には大社創建の伝説として、武甕槌命(タケミカヅチノミコト)(本殿第一殿の祭神)が白鹿に乗って鹿島神宮(茨城県)から奈良の御蓋山(みかさやま)に降り立ったという神話が伝わる。このため、春日大社境内や奈良公園一帯に生息する野生のシカは「神鹿」として信仰を集め、昭和32年には天然記念物に指定されるなど手厚く保護されてきた。

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