「人口が減るということは、ぎゅっとまとまって住んでいたほうが得ということ。同じように郊外に向かう路線でも、田園都市線は駅前に商業施設をつくられる傾向がありますが、東武伊勢崎線は駅から離れた幹線道路沿いなどに商業施設をつくられるため、結果として駅前は集積度が低くなり、衰退していくようにみえます。田園都市線でも、たまプラーザみたいに駅前を集中して開発し、常にリニューアルしているところはいい。駅周辺の集積があるかどうかが大切。急行停車駅かどうかでも違ってきます」

「まず、首都圏全体のなかで、そのエリアがどこにあるかという大雑把な立地。次に、ターミナルからの距離。これは銀座のようなブランド力の高い街や都心からの距離ともいえます。そして、最寄駅からの距離です。もちろん、その立地条件のなかでも人気・不人気は当然あります。たとえば、昔から西高東低といわれ、都心から同じ距離でも、都内では西のほうが人気です。また、不人気沿線のなかでも勝ち負けはあるでしょう」

 しかし、そんな世田谷もどんどん注目度が下がっているといわれている。現役時代に移り住んだ人たちが高齢化して、アクセスに不便を感じているという話もある。また、古き良き住宅地の面影を残そうとするあまり、「再開発」や「新しい街づくり」が世田谷には少ないともいわれる。

 人間がまとまって住み、駅周辺に商業施設が固まるというのは、人口密度が高くなることも同時に意味するが、高級住宅地の代名詞ともいえる世田谷区では昔から「駅から離れた場所のほうが格上」と見なされる風潮があり、駅から離れたマンションが分譲されやすい特殊事情があった。要するに、ゴミゴミした駅近よりも、郊外の静かな住宅地ということだろう。

「駅によって、隣の路線から近いところと、かなり離れているところがあります。たとえば、同じ東急線でも、池上線・目黒線・大井町線などは線路が込み合っているので、10分歩けば他の路線の駅に着きます。こういうエリアは価値が落ちにくい。しかし、田園都市線は他路線から離れており、最寄駅までバスを使うエリアが結構ある。神奈川県に入った郊外では、極端な話、一山超えないと次の街に着かないみたいなところもあります」

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